2024年 6月 の投稿一覧

避妊去勢手術をする、ということ。

TNRをすることが、地域にとってどういうメリットがあるのか?と言うことはもちろん大事ではありますが、今日は猫たちにとっての避妊去勢手術をすることのメリット、デメリットについて、私の思うことを書いてみたいと思います。

オスは去勢、メスは避妊手術となります。

皆さんのお住まいの地域には、お外に飼い主のいない猫ちゃんが住んでいるでしょうか。
夜中になると不安になるような声で鳴いていたり、まるで喧嘩しているような威勢の声で、聞いていてびっくりするようなこともあるかもしれません。

縄張り争いの喧嘩が発生しているのでしょう、時には激しい喧嘩によって怪我を負うこともあります。100%それが発情に関連した喧嘩とは限らないですが(餌場の奪い合いなんかもあるでしょう)交尾に関連していることが多いです。

騒ぎの最中や発情期の衝動による興奮から道路に飛び出して交通事故に遭う、ということも日常茶飯事の世界で猫たちは生きています。

避妊去勢手術をすればオスはメスを取り合って喧嘩することも減りますし、メスも交尾目的で追いかけまわされることも減ります。(メスのフェロモンによって発情が促され、春先以外でもオスが発情することがあります)

結果として、交通事故に遭う数も減ります。怪我が減ると言うことは、その怪我をきっかけに衰弱していったりするリスクを減らすこともできます。

メスの場合、栄養状況も悪かったりする状況での妊娠出産は、生きていく上でそれ自体が大きなリスクになります。野外での生活は過酷です。飼い猫のように具合が悪くなったとしても、医療にかけられるわけでも無いので、それはそのまま命の危機につながるのです。

発情することは生き物として自然な営みの一つではありますが、それがストレスになることもあります。また、生殖器に関する病気の予防としても、避妊去勢手術をすることは有効な予防策になります。

特にメス!
子宮蓄膿症、卵巣腫瘍等、乳腺腫瘍の病気にかかりにくくなります。

初回発情前(6~8ヶ月齢が目安)に手術を行うと、6か月齢未満では乳腺腫瘍の発生を91%低下、7~12か月齢未満では86%低下すると言われていて、飼い主のいない猫ちゃんはもちろん、飼っている猫ちゃんたちにとってもメリットが大きいです。それも、初めて発情する前にすることはとても効果的であるということ。

そしてメリットの最後に、その場所での狭い関係性の中での交配が抑えられることで、地域の環境だけでなく、不幸な猫ちゃんを減らすことに直結します。
例えば「近所のあのお家、たくさん猫が増えちゃってるのよ…」と言った多頭崩壊の状況であれば、近親交配が進んでいることも多いです。親子間や兄弟同士での交配によって生まれる猫ちゃんたちは、免疫力が弱く、奇形や先天性異常を持っていたりして長くは生きられません。

失明していたり、真っ直ぐ歩けずにすぐ倒れてしまう子猫ちゃんたち、てんかんのような発作を起こして苦しんでいる子たちを見たら…

もちろん彼らもこの世に生まれてきたかけがえのない命の一つではあります。
しかし、もし本当に自然の野生の環境で猫たちが生きていくのであれば、もっと広い土地で繁殖していければこんなことにはならないのです。現実問題として人間が多く住んでいる都市部や住宅街にいる飼い主のいない猫たちは、その存在そのものが人間とは切り離せない状況で生きています。

(私は個人的には、飼い主のいない猫たちが不幸な暮らしを強いられているとしたら、それは全て人間のせい〜と思っています。例えば西表島のイリオモテヤマネコさんなんかは、土地ごと保護されていて自然の暮らしをしていると思うけど、日本中の多くの飼い主のいない猫ちゃんは=野生の猫、とは言い難いと思っています。野生では無いということは、飼っていなくてもその地域の人間がみんなで、責任を持つ必要があるということ)

不適切な飼育や人間との関わりのせいでそんな風に生まれてきてしまう猫たちを減らすためにも、TNRはとても効果的な手段であります。

デメリットとしては麻酔のリスク、術後の感染症のリスクがあります。
そして猫ちゃんたちには怖い思いをさせてしまう…ということ。(これは私個人としてはいつも、捕獲した猫たちに対して心の中で「ごめんね、頑張ってね」と祈っています)

しかし、地域猫になれば、餌やりもできて猫ちゃんたちは食事にありつける確率が上がることも思えば、手術そのもののリスク以上のメリットがあることが理解していただけると思います。

宮古島みゃーくTNR部では、地域の皆様と連携し、TNR後の地域猫ちゃんたちの見回りや相談も受け付けています。
避妊去勢手術に関する理解も深めていただけるようパネル展などを催し、啓蒙活動も行っています。

おかえり!

3月に行なった通常TNR活動の時の、宮古島の離島、来間島でのリターン時の一コマ。

兄弟かな、友達かな?
お友達が手術から戻ってきて、キャリーをくんくんと嗅いで確認していました。
こちらのお宅では他の子も数匹さくらねこになっているのですが

あらら〜、まださくらみみになってない子もいます。
住民の方にご協力いただき、TNRを進めています。

TNRをするには私たちのようなボランティアだけでは敵わない猫ちゃんもいます。
日頃からその猫ちゃんに慣れている住民の方、地域の方にご協力いただけることでスムーズに進めることができます。

私たちは地域の方々にTNR活動のことをまず知ってもらって、一緒に宮古島の飼い主のいない猫たちの生活を少しでもいいものにしてあげたいと頑張っています!

飼い主のいない猫たちを増やさない

今年の3月16日に宮古島市未来創造センター研究棟にて、市民の皆様に向けてTNR活動・地域猫に関する認識を深めていただくことを目標に、パネル展を行いました。

こちらの画像はそのパネル展でも掲示したもののうちの一つです。

手術をしたにせよ、外で暮らす飼い主のいない猫たちをまた元に戻してしまうことに意味はあるの?
…という疑問を持たれる方もいらっしゃると思います。
私たちメンバーはもちろん、庭先や近所で見かける馴染みの飼い主のいない猫たちのTNR相談をしてくださる地域の皆さんも、可能ならその猫の飼い主になりたいとみんな思っていると思います。

近所に住んでいる飼い主のいない猫のことを気にかけている、その時点で心のうちは、その子と暮らしたい…そう感じていらっしゃると思います。
でも現実問題としてさまざまな理由で、その飼い主のいない猫ちゃんのことを家族として引き取ることができない。

そうなった時

できる最善の善処の一つとして、TNRがあると私たちは考えています。

できることなら宮古島にいる飼い主のいない猫たち全員、里親を探して飼い主のいる猫になって安全に暮らして欲しい、でも現実的にはなかなかそれが叶いません。

ならば、厳しい暮らしを強いられる猫たちを更に増やさないこと。

飼い主がおらず外で暮らす猫たちは医療を受けられない状況です。避妊去勢手術によって避けられる病気もあります。メスならば妊娠出産そのもののリスクを避けるだけでも、その子自身が安全に暮らせる確率はあがるのです。

なんとかここで暮らす猫たちにできることを、やろう。
そんな気持ちで私はこの活動に参加しています。


TNRは何の略?

私たちみゃーくねこTNR部についてのページ(こちら)でもページに記載があるように、みゃーくねこTNR部では宮古島に住んでいる飼い主のいない猫達の「TNR活動」を行なっています。

T・N・R…とは何の略語かというと、

Tは、捕まえること。
餌付けなどでとても慣れている子なら、ご近所の方が直接捕まえてキャリーに入れることができる場合もありますが、基本的には捕獲機を使用して捕まえます。
なかなか個人で捕獲機を所有して…ということも難しいと思いますので、当団体では捕獲を希望される地域の方々に捕獲機の貸し出しと設置方法などのサポートを行なっています。

捕獲は一番大変な作業とも言えます、いつもはいるんだけど…という猫が捕獲当日に限って見当たらなかったり。目の前に居るのに捕獲機を警戒してなかなか入ってくれなかったり。
ご近所さんの理解が得られず、捕獲機を置かせてもらえないなんてことも発生します。
(日々のエピソードについても、追い追い投稿していきます!)

Nは、避妊去勢手術をすること。
オスは去勢手術、メスは避妊手術をします。
捕獲機に入ったままで麻酔をし、患部の毛刈りをし、手術を行います。当団体ではTNRを引き受けてくださっている獣医師の先生達によって毎週火曜日に手術が行われています。
引き受けられる頭数にも限りがあり、補助などの関係もあってたくさんの手術ができる状態ではないですが、獣医師の先生方や地域の方々のご協力をいただき、先日のように集中して多くの手術を行うこともあります。



Rは、その子が暮らしていた元の地域に戻すこと。
基本的には捕獲をお願いした地域の方に手術後にお迎えに来ていただいて、また元いた場所に連れて行ってもらって解放します。
多くの猫達は、キャリーを開けるとビューン!と走って逃げて行ってしまいますが、翌日にはひょっこりまた姿を見せてくれたりします。全然逃げない子もいたり。猫の性格は色々で、本当にみんな可愛い存在です。

TNRをした猫達は手術をした印に耳をカットし、その地域の皆さんと共に暮らしていく。
日本全国(細々とした手順は違えど)TNRが行われています。

TNRって聞いたことがあるけど、何の略だということまでは知らないなという方も多いと思います。
(私自身も略語が何の頭文字であるかをちゃんと理解したのは、ここ数年のうちです!)

このページを読んでくださっている方は、きっと地域猫のことに興味を持って訪れてくださった方と思います。またいろいろ知り得たことをまとめていこうと思います。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました☆

5月の活動報告②

前回に投稿した、集中TNRの詳細リストの掲載です。

池間島で開催した集中TNRですが、他の地域からの要請にも対応しました。
さくら耳チケットでの枠が足りず、持ち込みの皆様からは一律¥1000の寄付をしていただきましたが、不足分は当団体よりの補填となっています。

みゃーくねこTNR部では、手術の費用などもなるべく地域の皆さんの負担が少なくなるように、補助をしています。
活動に共感いただける方のご協力、ご寄付をぜひお願いいたします。

現在、個人店などに寄付瓶を設置するなどしております。
寄付を受け付けるための口座開設準備中です。

消耗品などのご支援はAmazon欲しいものリストからご支援いただけます。
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5月の活動報告①

5月は集中TNRを池間島で行いました。
2024年5月21、22日と二日間に渡り池間島の防災センターをお借りして、宮古島動物病院から獣医さん、看護師さん、多数ご協力いただきました!

この日は前日から大雨が降っており(警報が出ていて島の何箇所かは冠水していて、通行のできない場所があったりして)こんな天気で捕獲が進むのか?と心配しつつも、地域の皆様、私たちボランティアの決死の捕獲劇で、

1日目…オス18匹/メス19匹
2日目…オス6匹/メス1匹

二日間通して合計44匹の避妊去勢手術を行うことができました。

2月にも同じく池間島で集中TNRを行いましたが、今回は数も多く、ご協力いただく獣医師の先生達の増員、捕獲機やキャリーなどの道具を多数揃えることも含めて様々と初めての経験をしました。

獣医師の先生達の作業がスムーズに進められるよう、私たちボランティアスタッフは捕獲と輸送以外にもお手伝いをしています。
麻酔をかけた後にバリカンで患部の毛を剃り、メスは術中に排尿がないように事前に絞って出しておくこと、捕獲機の洗浄、術後の猫たちが安全に目を覚ましているかどうかチェックをし、写真を撮って補助を受けるための書類などの記入をしたりと、いろいろと作業があります。

今回お借りした池間島の防災センターにはクーラーがなく…!
全員が汗だくになっての作業でした。

集中TNRについての記事を地元の新聞社さんにも取材していただき、記事になりました。

今回ご協力いただきました獣医師の先生方にも、やりがいを感じていただき、また実施したいと言っていただけました。
私たちボランティアももちろん、地域の皆様にもご協力いただき、また集中TNRを実施したいと思います。

【おまけ】

捕獲機に間違って入ってしまったヤシガニさん。
宮古島には体長が40cmほどにもなる大型のヤドカリの仲間のヤシガニが住んでいます!
ヤドカリだけどだいぶゴツイので、もし見かけてもむやみに触ったりしないように注意が必要です。

今年はやたらと豪雨の多い宮古島です。
皆様もご安全にお過ごしくださいね。

はじめましてのご挨拶

沖縄県の離島、宮古島で2022年の9月から、地域ですでに活動されている団体さんと連携して宮古島のTNR活動推進のために活動を開始し、2023年の6月に任意団体としての活動を始めました。
こちらのホームページの更新を担当することになりました、みゃーくねこTNR部メンバーのayuzoです。
実際に当団体の行うTNR活動の様子や、猫たちのこと、宮古島のことなど発信していけたらと思います。

沖縄県には沢山の離島があり、宮古島にもさらにまた細かい離島の離島があって、そのそれぞれの地域にはたくさんの飼い主のいない猫ちゃんたちが暮らしています。

離島に暮らす自由な猫ちゃんたち…というと、多くの方のイメージはとてものどかな風景に佇む、平和な猫ちゃんたちを想像する方もいらっしゃるかも知れません。
しかし、現実にはとても過酷な環境下で生き抜いていかなければならなくて、たとえば島を訪れた方々が必ずしもハッピーな印象を持てるかというと、そうではない場合も多い現状があります。

私自身も東京から宮古島に移住して15年以上になりますが、島での猫たちの暮らしや環境が過酷であること、身にしみて感じています。これから少しずつ宮古島での猫たちのこと、みゃーくねこTNR部の活動について、こちらのサイトに書いていきます。

どうぞ応援してください!よろしくお願いします☆